噛む子を育む離乳食②:手づかみ離乳食
6月は雨の日が多くなりお子様がいるご家庭では洗濯物も乾かない、外に連れ出すのも大変など、うっとうしい季節です。
先日、雨の日に外を歩くだけで「冒険」になる。そんなコラムに出会いました。
例えば色鮮やかな長靴やレインコートを着て一歩外に出てみたら雨の日の自然は新しい発見が一杯です。水たまりに長靴でわざわざパシャパシャ入ったり、のぞき込んだり。葉っぱや小枝を水たまりに浮かべ、泥水を混ぜ混ぜしてコーヒー牛乳に見立てるなど子供たちは水たまり一つで色々な遊びをします。雨の日によく登場する生き物のカエルやカタツムリに出会える絶好な機会にもなりますね。
泥んこやびしょ濡れを恐れずお外に出て雨の音を聞き自然の匂いを嗅ぎ目や耳、鼻の五感を使って自然を感じる経験や遊びを沢山することで将来力強く感性の豊かなお子様に育ちます。
私事になりますが富山の田舎で子ども時代を過ごした幼少時代が、私の感性やピンチになった時の力強さになっているように思います。
また、愛犬の散歩時に雨の匂いや風、道端の草花に敏感に感じるのも自然の中で育ったからなのかもしれません。
梅雨の季節、お子様と一緒にお母さま方も雨降りをも楽しんでください。☂
さて、今回のテーマは、【噛む子を育む離乳食②手づかみ離乳食】です。
良く離乳食を一生懸命作っても子供が食べてくれない!などのお悩みを耳にします。子育てのお悩み第一関門かもしれません。
離乳食の進め方の違い
一般の離乳食の進め方
- 一般的に生後半年ぐらいから始める事が多い。
- ベトベト・ドロドロ・親がスプーンで食べさせる。
- 手づかみ食べは一歳過ぎからさせるご家庭が多い様子。
食育実践予防歯科®の手づかみ離乳食の進め方
月齢で進めるのではなく、その赤ちゃんが犬座りが出来る(体幹がしっかりできてから、また、ごっくんが出来るようになってから)始めることをおすすめしています。
そしてハイハイやズリバイなど、運動機能も育てる学びを保護者がしていることも大事にしています。
食育実践予防歯科®の手づかみ離乳食は保護者にとってもいい事いっぱい!
- 作ることが大変なドロドロ・ベタベタの離乳食期が短い
- 赤ちゃんの発育や発達に合わせているから離乳食が順調に進む
- 電気圧力鍋を使えば簡単に出来る
※離乳食初期から手づかみ食べはできる!食べさせられるのではなく自ら食べることが大事です!
そもそも、離乳食の進め方の目的が違います。
厚労省の影響を受けた一般的な考え方では、栄養がメインの考え方です。
食育実践予防歯科®は、噛む子を育むための離乳食です。
この2つは目的が違います。
保護者がスプーンで離乳食を口に運び、栄養を摂取させる離乳食が一般的です。
離乳食の食べる量を気にされる保護者が多いですが、実際に中期の後半まではそれほど量は食べることはできません。
私が習っている食育実践予防歯科®では、将来のために噛むお口を作ることを一番大切に考えているために、手づかみ離乳食を推奨しています。
噛む子を育むためには赤ちゃんが消化吸収できる軟らかさも大事にしています。
最近は犬すわりができるまでに時間がかかる赤ちゃんが多いです。
理由としては、ハイハイやズリバイの運動が足らず体幹が育っていない、妊娠中のお母さんの姿勢が悪いため子宮の中が狭くお腹の中での赤ちゃんの経験不足も赤ちゃんの体幹が育たない理由だと言われています。
離乳食開始時期の比較
厚労省
離乳食開始時期:5~6ヶ月
目安
- 首座り寝返りが出来る
- 5秒以上座れる
- スプーンなど口に入れても下の押し出しが少ない(哺乳反射の減弱)
※このような時期を実践予防歯科®メソッドでは、手づかみ離乳食準備期と呼んでいます。
食育実践予防歯科®の離乳食
離乳食開始時期:月齢で示さない
目安
- 座位が出来る
- 手に触れたものを口に入れる(おもちゃをぺろぺろ舐める)
- 授乳のリズムが出来ている
※赤ちゃん自ら座位が出来ないと月齢に関係なく離乳食はスタートできない。
※座位が大事なので、座位が出来るように子供に関わっていく。座位が出来ないとごっくん、呑み込みが出来ない。
噛む子を育む離乳食指導
「咀嚼=噛む」は、学習し身に着けていく動き・機能です。
私が勉強している食育実践予防歯科®では離乳食開始時から【手づかみ食べ】をとても大事にしています。
「手づかみ食べ」と「噛む」の関係
- ①指先をセンサーにして硬さを感じ取る
- 指は脳と同じくらい敏感
- ②口に合っていると感じると口に運ぶ
- 自分の口に合っていると自分の口に運ぶ
- ③前歯と唇をセンサーにして、大きさや硬さを判断する
- ④口に入れたりかじりとったりする
- ⑤舌は奥歯の位置に食べ物を送る
- ⑥歯根膜から脳に刺激が伝わり噛む回数の指令が来る
赤ちゃんは不安だと離乳食を食べません
心や精神と体はつながっているため、安心安全でないと赤ちゃんは食べません。
- 手で確認
- 保護者の精神状態が安定していることが大事
- 慣れた場所であることも大事
- 大好きなパパとママは笑っていますか?
「安心、安全」は、どんな年代の人にも場所でも一番大切なことなのかもしれません。
幼いお子様は、特にそうだと思います。自分で何もまだ選べない子供たちがこれから長い人生の入り口で「安心・安全」が保たれた中でしっかり噛めるお口を育つこの子育て法(離乳食の進め方)を私は、一人でも多くのご家庭に届けていきたいと強く感じるようになりました。
昨日の土曜日、何組も親子連れのご家庭が歯の検診や予防に来院されました。
通院されるほとんどの子供たちがほとんどむし歯ゼロ。素晴らしいことです。親御さんのかかわり方や日頃の生活が整っている証ですね。
私は、お利口に一人で診察台に座り大きなお口をアーんとして歯のクリーニング受けている子供達も待合室で待って送りだして下さるご両親も両方めちゃめちや褒めて差し上げます。
我が家の娘たちは今診療室にいます。
むし歯を作ってきた子を丁寧に治療する次女。その傍らでアシスタントをしながら励ます長女の姿を眺めながら、娘たちの成長にぐっときた場面がありました。
我が家も色々あります。
色々経験している私だから、保護者の皆様のお悩みや嬉しさに共感できるのかもしれません。
野上歯科医院 hahahaサロンさくらんぼ🍒ロイヤルむし歯予防マイスター®野上恵子