噛む子を育む離乳食【手づかみ離乳食準備期】と【手づかみ離乳食初期】について

離乳食おいも、にんじん、ブロッコリー

今年は、厳しく暑い夏が続きましたが最近は、朝夕赤とんぼが飛ぶ姿も見られるようになり、八百屋の店先には梨やブドウが並び秋を感じられるようになりましたね。

今回は噛む子を育む離乳食【手づかみ離乳食準備期】と【手づかみ離乳食初期】についてお伝えしていきます。

手づかみ離乳食準備期がある意味

手づかみ離乳食準備期は、乳児嚥下から成人嚥下の移行期です。
成人嚥下にならないと食べることは難しいです。

スプーン介助により上唇で取り込み、飲み込む練習をするこの時期を手づかみ離乳食準備期と呼んでいます。

食育実践予防歯科®メソッドでは手づかみ離乳食準備期と手づかみ離乳食初期では、赤ちゃんに獲得してほしい事が違います。スプーン介助により口を閉じて重湯などをごっくんと飲み込めるようになり、座位ができるようになれば次のステップに進めます。

※離乳食準備期というのは食育実践予防歯科メソッド独自の考え方です。

手づかみ離乳食準備期の目的

離乳食の正しいスプーン介助により口唇を閉じて飲み込みの練習をする。サラサラ重湯の入った離乳食スプーンを下唇に置いたときに赤ちゃんの上唇が下りて唇を閉じる練習をする時期です。
※毎日しなくても大丈夫です。

手づかみ離乳食準備期スタートの体の状態

  1. 手に触れたものを口に入れる:この時期、おもちゃや歯固めをなめることは唾液が沢山出て飲み込みの練習になる。色々な形状のおもちゃをなめることが大事。
  2. うつ伏せになり首を持ち上げられること:お腹はまだついていてOK、両手を床について持ち上げる。この時赤ちゃんの目線が大事。首を持ち上げられる。
  3. 授乳のリズムが出来ている事:この時期は、母乳やミルクで栄養摂取です。一日一回程度重湯などの練習をした後、授乳は必要。
    ※授乳の間隔が4時間開けることが望ましい。

手づかみ離乳食準備期は、何を与えるの?

重湯は、10倍がゆの上澄み液です。米粉で代用してもよい

サラサラおもゆ
トロトロおもゆ
取り込みが上手になったらはじめる
10倍つぶし粥
裏ごし人参🥕
「昆布だし」で煮た人参を裏ごしする

🍎大切なこと🍎

一人一人成長や発達が違うため、食育実践予防歯科®メソッドでは一般の離乳食の進め方と違い月齢で離乳食を進めません。保護者や私達も一人一人赤ちゃんを良く観察して急がないことが大切です。そしてその見極めが結局は噛めるお口を作っていくことになるのです。時には小児科医師などの専門家との連携も必要になります。

この時期のコミュニケーション:【二項関係が大事】

この時期の赤ちゃんは、お母さんと赤ちゃん赤ちゃんとおもちゃの二項関係の時期です。あ母さんと赤ちゃん、お父さんと赤ちゃんで丁寧に沢山声掛けをしながら遊んだり触れ合うことが大切です

この関係が出来てこそコミュニケーション力が高まっていきます。

手づかみ離乳食初期とは、手づかみ離乳食準備期で口を閉じて飲み込めることが出来るようになり、犬座りから自座位ができるようになれば、手づかみが始ります。舌は初め前後運動し上手になってくると、舌は上下に動かすことができるようになり、食べ物を舌と顎で押しつぶして飲み込むことができるようになります。

手づかみ離乳食初期の目的

手づかみ食べの最初の練習です。固形物をつかみ、口に持っていき捕食し舌で押しつぶし飲み込みの一連の流れを獲得していきます。

手づかみ離乳食初期(一回食)へ移行する体の状態

  • 手に触れたものを口に入れる。片手から両手で持って遊ぶ。うつ伏せでおもちゃを持って遊ぶ。
  • うつ伏せになり首を持ち上げられる。お腹はまだ、ついていてOK。両手を床について持ち上げている。
  • 座らせたら犬座りが出来る。しっかり両手がついて体を支えている。自分の体を自分の手で支えられる。この時期ハイハイを良くすることに関わる事が大事。お母さんの関わり方が大切です。

※赤ちゃんが8ヶ月になっても犬座りができない時は赤ちゃんの専門家に相談すことをおすすめします。

手づかみ離乳食初期(一回食)

この時期は、どんな食器を使ったらよいでしょうか?

正解は平らなシートです。

この時期赤ちゃんは、手づかみ食べで食べるときに並べられたものを、目で選ばず、手に触れたものを口に運んでいます。

そのため、食べ物を手で触れやすい、平らなシートの上に食材を並べて口に持っていく練習の時というわけです。

ポイント

テーブルを除菌し直接食べる物を置いてもOKです。

この時期は、足裏がまだしっかりつかない時期です。そのため、足裏が就く椅子、S字カーブを守る、手が自由に動く【UPRIGHT®】がおすすめです。

手づかみ離乳食初期(一回食)は、何を与えるの?

昆布で煮たスティック野菜(にんじん、大根、ブロッコリー、キャベツの芯)
ニンジンなどは甘いので五感で取り込みやすいです。
10倍粥
慣れてきたら豆腐
塩抜きしたシラス

※スムースに飲み込めない時は準備期の与えるものに戻りましょう。
※赤ちゃんの口にあった舌と上顎で押しつぶせる軟らかさ、電気圧力鍋(ワンダーシェフ)が便利器具の一つとしてお勧めです。

☝この時期、どのくらい煮たらよいか?などは個別にお答えします。

まとめ

一般の離乳食と、食育実践予防歯科®メソッドの手づかみ離乳食の進め方には、大きく違う点がいくつかあります。
食育実践予防歯科®メソッドでは月齢ではなく一人一人のお子様の体や精神などの発達をよく観察して丁寧に進めることを推奨しています。

栄養や量が優先ではなく、自分の手でお口に持っていきかじり取り咀嚼し噛むことが、健康なお口を育む上で大切だからです。

噛むお口を育むと唾液が沢山でるお口になります。噛む習慣は生まれてすぐからの授乳にも気を付けていかなければいけないようです。

そして手づかみ離乳食で育まれる自主性や自立心、工夫精神、たくましさを大切なお子様にプレゼントするためには離乳食を慌てずゆっくり離乳食をすすめることが大事です。

私も自分の子育て中はこのメソッドを知りませんでしたので一般的な離乳食で進めてきました。
しかし今自分がこの離乳食の進め方を知り、この考え方の方がはるかに嚙むお口が育ちたくましく自立した子供が育つ子育て方法だなって気づきました。

私達親は、愛する我が子になんでも手をかける事でなく、確かな知識を学び、それをどう子育ての中に取り入れ、環境を整え大きな心で見守っていくことを大切にしていただきたいです。

先の成長のためには大切にゆっくり進めることが大切なこと、それがこの手づかみ離乳食初期にも言えるのかもしれません。

野上歯科医院 hahahaサロンさくらんぼ🍒ロイヤルむし歯予防マイスター®野上恵子