むし歯予防だけではない噛む子を育むキシリトールガム

キシリトールガムの写真

ご挨拶

色とりどりの紫陽花が美しい季節になり入梅も近くなりました。この季節、緑に映えるドクダミ草も可憐で好きです。毎朝愛犬モナの散歩道に八重のドクダミ草が咲く所を通るときは、少し摘んで帰り小さな花瓶に飾り家の中でも楽しんでいます。皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか?今月は、むし歯予防のアイテムで有名なキシリトールについて書いてみようと思います。

この2年間、『噛む』を育むおやつや離乳食について学びその事を書いてきました。乳幼児期から積極的に食育に取り組んできたご家庭のお子様でも十分に噛むお口が育ってないお子様も多いのが現代の現実。食育をあまり意識されてこなかったご家庭のお子様は、尚更、顎がなかなか育っていないため噛む力が弱く、あごが狭いために歯並びが悪いお子様もとても増えています。キシリトールガムは、むし歯の原因菌ミュータンス菌の活動を弱める働きだけでなく、ガムを噛むことで噛む筋肉を育む「噛むが育まれ自浄作用が促されるアイテム」としても素晴らしいものです。その観点からも今月は、ご紹介してみようと思います。

キシリトールの上手な利用法

“むし歯キラー“キシリトールは、小さなお子さまからお年寄りまで口に出来る安全な食品です。

歯のあるなしに関わらずどなたでも積極的にとって欲しいですが以下のような方には特に有効です。

※ガムが噛めない場合はタブレットタイプもあります

キシリトールはこんな人に効果絶大

  • ミュータンス菌の多い人
  • むし歯になりやすい人
  • 乳幼児期と学童期のいる母親とその家族
  • 永久萌出期(6~12歳児ぐらい)
  • ドライマウスの人
  • 唾液の少ない人
  • ストレスの多い人
  • お年寄りや薬(血圧降下剤、抗ヒスタミン剤、利尿剤、抗うつ剤など)の抗精神薬を常用している人

①から④は、主にミュータンス菌の活動を弱めるために、④から⑧は唾液を増やすことが、目的です。

キシリトールガムで噛む子を育む

キシリトールは、噛む子を育むという点でガムがおすすめです。キシリトール含有量が50%以上のものを選んでください。

ただし漠然と噛んでいるだけでは効果は半減してしまいます。ミュータンス菌を減らしたい人は、「食事のすぐ後に」、唾液を増やしたい人は「食前に」キシリトールガムを嚙むといいようです。

ポイントは、「最初の唾は飲み込まず2分間」お口の中でグルグル回す事!こうすることでミュータンス菌にまんべんなくキシリトールがいきわたるというわけです。お子さんなどでどうしても2分間唾ためるのが難しい人は、5分から10分間は噛み続けてください。その後、歯磨きでしっかりプラークを落とし一般的にはフッ素を塗布ですが、野上歯科医院ではより体に優しいオーラループの塗布をおすすめしています。そして一般的にキシリトールでミュータンス菌を減らすためには一日3粒から4粒を3ヵ月間は正しい噛み方で噛む事が効果的です。

野上歯科医院も今までむし歯が止まらないお子さんにはこのように御指導してきましたが、先日食育を教わっている先生からこんなアドバイスを受けました。

いま、一般的には6歳臼歯が生えてくる頃のお子さんは、1粒のキシリトールガムを噛むのもなかなか難しいようです。
顎が弱く噛む力が弱いからです。先生は、エビデンスに捕らわれずにまずは一粒からを大切にと伝えています。まずは、6歳臼歯(噛の王様)と手鏡などで見せながらそこでゆっくり噛む指導を丁寧にする事。ガムの味もお子さんに決めてもらいます。お家に帰ってガムのボトルを置く場所も噛む時間もお子さんに決めてもらいましょう。

●自分で決める●

ここが最も大切です☝

🍒お子さんが主体的に決めることを大切に見守る子育てが大切です。一つ一つの小さな階段、スモールステップを大切にする関わり、寄り添いを大事にしましょう🍒

一粒のガムを奥歯で牛が干し草を食む様子をイメージさせ、お口の中でまーるいお団子を作るように噛むトレーニングをします。

この一粒を丁寧に噛むことが【噛む】を育みます。自転車に乗れるようにその感覚をつかむと食事の際も奥歯で噛むようになり少しずつ唾液の多い自浄作用の高いお口が育つ、口の中の筋力をつける。自浄作用の高いお口は、歯ブラシに勝るむし歯予防があると言われるくらい大切な要素です。子供の時期に獲得しないと大人になってからは中々手に入れられないものです!

6歳臼歯は舌側に傾斜して生えてきますが、噛むことで顎が広がり、6歳臼歯が直立してきます。顎の成長のためにもキシリトールガムを続けほしいです。

エビデンスだけでなく生活の中で取り入れられる方法で、子供が自ら考えて決めたことを大切にする、そしてスモールステップ積み重ねによる成功体験を大切にする子育てをご家庭と共に歩く姿勢が何より大切だと再認識しました。そしてキシリトールガムの底力を改めて再確認した勉強会でした。前者のエビデンスよりも後者の考え方を野上歯科医院では今まで以上に大切にしたいと強く思って日々の診療に関わっていきます。

野上歯科医院はご家庭と共に、子どもたちの生活や子ども自身が決める自主性に寄り添う診療室として、これからも共に歩んでいきたいです。