噛む子を育む離乳食【手づかみ離乳食中期】赤ちゃんの心の成長とレシピ

離乳食をてづかみする子どもの写真

10月のご挨拶

自然の河風と秋の虫たちの涼やかな鳴き声を聞きながら深い眠りにつけるようになりましたね。夏の疲れなのか?朝寝坊をすることもあります。そして実りの秋を迎えてきのこご飯や里芋や牛蒡などをたっぷり入れた豚汁を作ったりと食いしん坊の我が家は、食欲絶好調の毎日です。

お子さまがいらっしゃるご家庭では、運動会や作品展などの行事も行われる季節ですね。また、インフルエンザやコロナも流行していますが、免疫アップ!のためにしっかり眠り栄養のある食事を頂き規則正しい生活リズムで元気に秋を楽しみましょうね。

【手づかみ離乳食中期】について

この時期は、離乳食が一日1回から2回になり「押しつぶし」を学ぶ時期です。「押しつぶし」とは、舌と上顎で食べ物をつぶすことです。手づかみ離乳食初期に口唇で食べ物を取り込み舌を前後に動かし飲み込むことを覚えると、次は舌の上下運動が出来るようになり、舌と上顎で食物を押しつぶす機能を獲得していきます。

この手づかみ離乳食中期で赤ちゃんに獲得してほしい事を以下にまとめます。

手づかみ離乳食中期の目的

食材の広がりを通じて舌の動きを学び、スムースな目、手、口の協調運動の獲得をする。

※月齢ではなくお子様の成長をみながら離乳食を進める事が好ましいです。手づかみ離乳食中期は、ゆっくり進めることが大切と言われています。

🍒手づかみ離乳食中期って?🍒

この頃は、手づかみ食べも上手になり食材を握りつぶすことが激減します。一日の離乳食の回数が1回から2回に増えます。

手づかみ離乳食初期から手づかみ離乳食中期に移行するための赤ちゃんの成長の目安

①赤ちゃん自身が手に持つことと手に持たされることは違います。赤ちゃんの意志が入ることが大切です。手に触れたものを口にいれる。片手から両手で持って遊ぶ時期。うつ伏せでおもちゃを持って遊ぶようになる。

②うつ伏せになりグッと両手で上半身を持ち上げられる。お腹が床から少し離れる。床についている手がひらいた。そして床を押す手が力強い事が大事。床遊びを沢山させる。

座らせたら手を広げ犬座りが出来ている。この座り方が出来るようになると舌がかなり動くようになる。

⑤赤ちゃんが自分で何らかの方法で移動している。

授乳のリズムが出来ている(ここがとても大切!)

  • 離乳食後、すぐに授乳していない。
  • 離乳食の後の授乳が3~4時間あいている。寝る前の授乳は覚醒するのでしっかり眠れなくなります。

※泣いたら授乳をしない。この時期、授乳がコミュニケーションの全てではなく、色々なスキンシップを親子で試してみてはいかがでしょうか?

この時期の歯は?

上前歯2本、下の前歯2本が生えてくる頃です。

※歯の萌出時期は個人差がとても大きいです。

乳歯が生えてきても体ができてこないと舌が動かないので離乳食が進みにくくなります。赤ちゃんの月齢ではなく体の成長変化の観察が必要です。

🍎レシピ付き!2回食はどんなものをあたえるのか?🍎

●この時期のだしは、混合だしです。鰹と昆布のだしは奥深いだし汁です。だしは、無添加(化学調味料や塩を含まない)市販のだしを利用するのも良いでしょう。

 例:リケン社の和風鰹だしの素、トップバリューのだしパックなど。この時期お出しは袋のまま使う。なぜなら赤ちゃんは舌触りが大事だから。

例①野菜類

大根、ゴボウやジャガイモ、人参は、100㎖から300㎖の混合出汁で電気圧力鍋を使い60分煮こむ。
ゴボウは、厚さ2~3ミリの斜め切り。
ジャガイモや人参は、厚さ1.5センチのスティックに切る。
大根や人参、ゴボウなどは、繊維を断ち切る切り方が大切です。
ブロッコリーもOK。冷凍のものが便利です。

例②タンパク質

白身魚(生鮭・鯛・ひらめ)を片栗粉をまぶして、だし汁で弱火で煮る。
お皿に盛り付けする時は、だし汁にとろみをつけたあんにしてかける。口の中に入った時に、とろみがあると舌の動きを助け食べやすい。

例③鶏ささみソーセージ

  • 鶏ささみひき肉30g
  • 豆腐40g(豆腐の量で軟らかさを調節できる)
  • 玉ねぎ15g
  • 人参(すりおろし)大さじ1/2
  • 片栗粉 適量
  • パン粉 小さじ1
  • 水 大さじ1

これらを混ぜ合わせてサランラップでソーセージ型にして蒸す。

主食

7倍粥

米30gに対して水210cc
米:水=1:7鍋で炊く

味噌汁

大人の味噌汁を2~3倍に薄める。

  • 汁椀を自分で持たす練習をしていくと自分ですすれるようになる。失敗しても見守る。飲み口が薄い木の汁椀が良いです。
  • 汁椀を使い味噌汁を飲めるようにするためには、コップのみと同じに介助法が必要です。汁椀の介助をするときに子供の手をどけない事が大切です。

この時期は、どんな食器を使うのがよいか

プラスティックの浅い皿が良いです。まだ、投げたりかじったり、ひっくり返したりする。この時期、おもちゃと食器の違いを知っていく。大切なことはかじっても投げても見守る。やるだけやったらやらなくなる。

この時期のコミュニケーション

以下のような三項関係が成立するようになります。

  • ママと自分とおかず
  • ママと自分とおもちゃ

そしてこの時期指差し行動が目立つようになります。

手の発達

握る→つかむ→つまむ

  • 手づかみ離乳食初期ではたまたま手に触れたものを食べる。食材を見ていない。目で見て選んでいない。
  • 手づかみ離乳食中期では自分で見て、選んでつかんで食べる。
  • 手づかみ離乳食後期では1歳すぎになると3本の指でつまめるようになる。

大切なことは、手の発達も良く観察してその子供の発達にあった軟らかさや大きさ、切り方、食感が大切です。

  まとめ

この手づかみ離乳食中期は慌てずゆっくり構えて取り組むことが大切です。

一般的離乳食中期は7~8ケ月ですが一人一人の体幹の成長やお口の中の様子などによって違います。違ってよいと思います。

子どもは安心安全な環境でなければ食べないです。

将来よく噛み、食べる楽しさを知っている、自分の意志をしっかり持ったお子様に育ってほしと私は願います。
そのためにどうかこの時期は、離乳食を通じ見守っていただきたいです。

お口の中の成長だけでなくお子様の将来に関係する大切な時です。手探りではあると思いますが食材の軟らかさや、切り方大きさ、皮の処理などに気を配り、手を出し過ぎず見守り赤ちゃんに沢山の経験をさせるために見守ってあげて欲しいです。

野上歯科医院 hahahaサロンさくらんぼ🍒ロイヤルむし歯予防マイスター®野上恵子