歯の健康は「噛む」ことから

川崎市野上歯科医院 恵子ママ写真
今月は恵子ママこと野上恵子が担当します。

昨年から新型コロナウイルス感染拡大の影響で、地域の子育て支援主催の「虫歯予防教室」や当院による「母子教室」も行えない状況が続いております。
日々の診療においても、乳幼児のお子様に食育や生活に関するお話がしばらくできていないことを残念に思っております。

野上歯科医院において大切にしてきた「食育実践予防歯科」とは「歯科から考える食育」についての情報を発信し、お子様だけでなく家族全員で健康な「口・心・身体」を育み、「一生虫歯ゼロ」を目指す予防歯科です。

3歳までの虫歯予防は歯ブラシ指導やフッ素塗布などの「口腔からの予防」に加え、「食育」がとても大切です。

乳幼児期の子どもの一日は「寝る・起きる・遊ぶ・食べる」この4つの行動がほとんどです。
これらの行動を規則正しく生活のリズムとして整えてあげ、その中に「歯科から考える食育」を取り入れることで情緒の安定した元気で頭の良い子が育つといわれています。

また「よく噛むお口」を作ることで虫歯のない子に育っていきます。
よく噛むお口は、唾がたくさん出る自浄作用の高いお口です。
「噛む」ことは人間が本来持っている機能だと私は思っていました。
しかし正しい母乳やミルクの「吸わせ方」、そのときの「抱く姿勢」、「離乳食の進め方」によって「はぐくむ」ものだと知りました。

私もかつてはそうでしたが。保護者の方々からすると離乳食は「食べる量」に目が行きがちです。
でも本当に大切なのは「子どもの噛む様子」を観察することにあります!。
乳幼児期に得た摂食嚥下はその人の一生の摂食嚥下になると言われているからです。

では、「噛むお口」に育てるにはどうしたら良いでしょう?。
それは乳幼児期の授乳に対する考え方や知識、離乳食の内容や手づかみ食べの進め方、母乳やミルクの卒乳時期に対する捉え方が重要です。

「離乳食を始めてみたけれど食べてくれない」
「スプーンで押し出してしまう」
「食べる量が少ない、急に食べなくなってしまった」
「せっかく作ったのにぐちゃぐちゃ遊んだり、ポイポイ下に投げてしまう」
「1歳を過ぎても寝かしつけのミルクや母乳がやめられない」

など様々なお悩みがあるかと思います。

子どもたちがそうするにも実は理由があり、それに対する対処の仕方や考え方も「月齢」「子どもの成長段階」「性格」「家庭の事情」などによって異なります。

親子で検診にいらした際に「歯ブラシ指導」や「口腔内の質問」に加えてこれらのお悩みについても個別にお聞きしていきたいと考えております。

すぐにお答えできないことは専門家を通してお答えさせていただきます。
どうかひとりで悩まず、お気軽にご相談くださいね。

これから高齢化社会を迎える日本が目指すべき道は、シニアになっても自分の歯でよく噛んで食事をし、日常生活を自分で行う人が増えていくことだと思います。

人生100年時代と言われる今、乳幼児期から「噛む子」を育み、健康に直結する「噛むことの大切さ」をお伝えして皆様の健康寿命に貢献できる野上歯科医院をこれからも実践していきたいと思います。

ロイヤルむし歯予防マイスター
野上恵子