6歳前後の子供のお口について
皆様、こんにちは。夏休み如何お過ごしですか?
コロナの感染が再び激しくなり田舎のおじいちゃん、おばあちゃんに会いに行く予定や旅行を断念されたご家庭もあるかもしれません。残念ですがきっと落ち着く日を信じて今、出来る楽しみ方を探していきましょうね。
学童期のおやつ① 低学年編
幼稚園や保育園を卒園して小学校に入学する6歳前後の子供のお口の中ではどんな変化があるかをまずお伝えします。
乳歯の前歯が抜けて永久歯が生え始めるのは6歳ごろですが早ければ5~6歳ごろに乳歯の一番奥歯の奥から6歳臼歯(第一大臼歯)が顔を出し始めます。この6歳臼歯は永久歯の中で、食べ物をかみ砕く力が強く噛むために欠かせない要の歯です。【歯の王様】と言われます。
噛むためにとても大切な6歳臼歯は厄介なことに最もむし歯になりやすいことで有名です。
完全に生えるまでに長年かかるため、歯の一部が歯茎をかぶっている状態が長く続きます。
手前の乳歯よりも高さが低い状態が長く続き歯ブラシを入れても届かず磨けません。乳歯から永久歯に生えかわる歯ではないので、お子様本人はもとよりお母さんも意識していないと生えてきていることも気づかず、ブラッシングもいい加減になり磨き残しをしているケースも多いです。
このため5歳を過ぎたら子供自身もお母さまにもこの6歳臼歯が顔を出していないか?絶えず確認するようにお願いしたいです。
野上歯科医院では定期健診の際に、手鏡でこの6歳臼歯を見てもらいお子様にもお母さまにも意識してもらっています。
6歳臼歯は舌(ベロ)側に寝た状態で生えてくることが多いです。幼稚園の年中さんぐらいから手前の第一乳臼歯や第二乳臼歯の位置も子供自身に手鏡で見せる。これらの歯の位置を意識させることと噛むことがが大切です。「6歳臼歯を探そう!」探検をして歯のイラストを描いた用紙に塗り絵をさせる歯科医院もあるようです。
6歳臼歯があることの意識をお子様もお母さまも出来たら歯ブラシをまっすぐに当てきちんと磨く習慣が大切になります。
もう一つ大切なことは、この時期この6歳臼歯を意識して食事を噛むことに加えてあるアイテムを使い噛む筋力をつけることです。
それは、100パーセントキシリトール配合のガム!!です。
6歳臼歯でキシリトールのガムをしっかり噛むことで顎が広がり6歳臼歯が舌側に倒れていたのがまっすぐ立ってくるケースが多いです。
6歳臼歯で噛んでいないと顎は広がらず舌が動かないため6歳臼歯の周りにプラークがべっとり付きむし歯になりやすいということになります。
この時期から数年間はキシリトールガムを一回5分、特にむし歯になりやすいリスクのあるお子様は一日4粒を3~4回目安に噛んでいくと良いでしょう。
また、どのように噛むかも重要です!
映像でイメージできるように「牛は何を食べる?」「どのように食べている?」を質問してください。
見たことがない場合は、パソコンなどで動画を見せてあげてほしいです。
食事やガムをかむときには口を上下に動かして噛む(チョッピングタイプ)ではなく牛のように顎を横に動かしてすりつぶすように噛む(グライディングタイプ)の方が下の顎の歯列幅の成長が大きいことがわかっています。
この時期にむし歯予防効果のあるキシリトールガムを噛み下顎を広げ育てることの大切さを今まで以上に診療室でも伝えていきたいと強く感じています。
顎が小さい、歯並びが悪い、だから即、矯正治療ではなくまずは人間の持っている力を最大限に引き出すことも、歯科医院の役割りです。
この頃の心
この頃の子供たちには、大きな生活の変化があります。それは小学校への入学です。
特に1年生は、大きな時間の流れがあった保育園や幼稚園とは違ったきっちりかっちりの学校の生活にまだ慣れていないため大きなストレスを感じている子もいます。
そのうえ塾や習い事など現代のお子様は時間に追われています。診療室でも目の下にクマを作り疲れた子供たちが多く見うけられます。
ストレスが原因で呼吸が浅くなり唾液も少なくなるため口腔内はプラークが増えてきます。
一人一人の子供たちのご家庭では、子供の話をよく聞いてあげ早く夜は寝させる工夫が大切です。
共働きの家庭が増えた今日お母さまの負担が大きくなりますが体力のない1年生のいるご家庭にはご協力をお願いします。
私たち歯科医院側もそのあたりを注意深く見ていきたいと思います。
学童保育
近年の世の中は、共働きが増え学童保育を利用されているご家庭が増えています。
学童でのおやつは、砂糖を多く使ったお菓子が多くなっています。
学童でのおやつは、出されたものを食べることになりますがせめてご家庭でのおやつについては内容や回数などお子様にとってどのようであったら良いと思われますか?
小学1~2年生の子供にご家庭で実践できる指導
- むし歯になるからお菓子を減らしなさい!
- 歯をしっかり磨きなさい
≪ここは大事です!!≫
大人も同じですがああしなさい!こうしなさい!と口うるさく注意したり指導をしてもあまり意味がありません!
≪ここも大事!!≫
この年齢になると私たち大人が思っている以上に子供達はきちんと考える理解力があります。
むし歯になりたい?と質問するとむし歯になりたい子はいません。むし歯なりたくない!ってみんな思っています。
そこで、お菓子カードでいつも食べているお菓子を把握する。事実を一緒に捉えていく作業をする。
例えばお菓子カードなどでいつも食べているおやつや好きなおやつを選んでいくゲームをするのもいいですね。
とかく歯医者さんでお母さまやお子さんに日常のおやつについて質問すると優等生の答えをしようとされる場合が多いです。これはだれしもそうだと思います。
むし歯のことを知ってもらいましょう
- どうしてむし歯になるか?のメカニズムを教えることが大切です!!
- 例えば、お砂糖を食べるとむしば菌(ミュ―タンス菌)が元気になり、そのむしバイ菌がデキストランというネバネバうんちをする・・・などと話してあげると興味を持ってくる!
そのデキストランはネバネバしていてそこにミュウータンス菌がまたたくさん集まってくる。寄せ集まって来たばい菌たちが力を合わせて歯に穴をあける。
「そのむしばい菌は、何を食べたら?多くなる?元気になる?」?質問していくと子どもたちは考え始めます。
- 甘いものを食べ過ぎるとむしばい菌が増えて元気になるからどうしたらよいか?自分で考え始める。そこで初めておやつを食べる時間、量、種類を考え始める。その時一緒にそばにいて見守り受け取ってあげることが大事です❤
- むしバイ菌を減らすにはどのようにしたらよいか?考えさせる
ご家庭で実践できる指導して大事なことは、子供に気付かせることが大切です!
自分で歯ブラシすることが大切だと気が付く。ここが大切です。
※約束型指導:指導というより「3歳以降は、一日一回だけ甘いものはOKだよ」という約束をする。
納得して自分で決めた子供たちは律儀に約束を守るようになる。
※年齢に合わせた質問を大人がして正しい方向に導いていくことを私が勉強している食育実践予防歯科®では伝えています。
プラークコントロールしていくうえでおやつの選択は大事な要素ですが、こちらがああしろ、こうしろという指導ではなく、お子さんが自分で考え、導きだすお手伝いをご家庭と手を携えて行っていくことを野上歯科では大切にしたいです。
🍒野上歯科医院 hahahaサロンさくらんぼ🍒ロイヤルむし歯予防マイスター® 野上恵子