不況について
昨日、確かBSフジで日本経済の今後についての
トーク番組をやっていて、ついつい最後まで見てしまいました。
ゲストは早大教授のミスター円こと榊原英資氏でした。
氏の解説はとても解り易くて、経済問題の素人である私にも
今置かれているアメリカと日本の状況が手に取るように理解できました。
氏が述べていた事を要約すると、次の2点です。
今の不況は年月が経てば回復していく循環型の不況ではなく、
製造業が抱えている構造的な不況である事。
また、もう一つの点は国から地方への一方通行的な
縦割り行政が、本当に農業をやりたい者の進出を阻んで
いたりする事の弊害についてでした。
話が少し難しくなりましたが、最初の点については、
たとえば自動車を例にとると、今まで5年で新車に乗り換えて
いた人が10年乗り換えないとすると、単純に生産量は半分に
なってしまいます。
技術革新を行って故障しにくい車を作ろうとすればするほど
売上げ高は落ちてしまうというジレンマに製造業は陥り易いのです。
氏は製造業は役割を終えつつあるのかもしれないと言っていましたが、
今まで日本の経済を引っ張ってきた基幹産業である為に、
方向転換は困難を極めるものと思われます。
GMに起こった事はトヨタにも起こり得る事なのです。
また、次の点は農業や医療をサービスと結び付ければ無限の
可能性があるという事です。
そのためには、大幅な規制緩和が必要で
我々歯科産業の従事者も変革を迫られるという事になります。
いずれにしても20世紀型の産業構造(片っ端から物を作って、廃棄する)
はもはや成り立たないものと思われます。