明けましておめでとうございます
随分と御無沙汰していました
今日から再スタートです
暮れは28日から亡くなった弟の家の仏壇を処分するために
富山に帰省していました
富山はとても寒くて東京に比べると10度近く気温が低いように感じました
また積雪も多く飛行機が飛ぶのか心配しましたが
何事もなく安堵しました
この休みは読書をしようと決めていたので気になった本を幾つか挙げたいと思います
富山でフラリと立ち寄った書店で目についたのが
漱石のこころでした
今朝日新聞で連載中の三四郎を読んでいることもあって
もっと漱石を深く知りたいと思ったのがきっかけでした
歯科医は専門書は読んでも仕事に関係のない本はあまり手には
取らないものです
たまに同業者と会っても
歯科関係の話はしても最近どんな本を読んでいるか等という話はめったにしません
そうしてだんだんと専門馬鹿になっていく
専門書を読んで実行していけば仕事はうまく行くかもしれません
しかし人間的に成長する事とは別です
そんな当たり前の事が
この年になって解る事も多いのです
話をこころに戻しますが
漱石に関しては坊ちゃんや吾輩は猫であるといったユーモアのあふれる
作品は楽しく読んだ記憶はあるのですが
それからや虞美人草になってくると人間の内面の深い部分を描いていて
とても難解に思われて
ついつい敬遠してしまいました
結論から言うと
こころという小説がここまで感動を与えてくれるとは思いませんでした
筋についてはあえて言いません
人間の命のはかなさとは
人が純粋であり続ける事の強さと恐ろしさ
人にはそれぞれ背負っている役割がある事
一人の人間の心の中にある悪の部分と良心との葛藤
100年以上も前にここまで深く掘り下げた小説があったとは
正直言って驚きました
夏目漱石が文豪だと言われる所以が解るような気がします
どんな時代でも人はその人になるようなルーツがあり
人生で経験した事や出会った人から影響を受けながら生きている
その出会いも全くの偶然から起こる
読み終わってから数日経っているのに拘わらず
今だに頭の中の興奮が冷めやらない状態です
もしかしたら
私は今まで人生の片側しか知らなかったのかもしれません
漱石は全部読むつもりです
それともう一人気になる作者がいます
それは城山三郎です
少しだけ、無理をして生きるという短編を読んでいるのですが
読み終わって深い感銘を受けました
とくに将棋の中原名人のくだりと落日燃ゆに描かれた広田弘毅元首相の
ページは時間の経つのも忘れる程でした
私はもうすぐ58歳になりますが
書物から知識を得て
自分がまだ変われると信じています
表面的な事ではなく自分の欠点を変えていくには先人から学ぶしかありません
変われる自分が今から楽しみです