ストリークレーザー治療に必要な「基本治療力」と歯科医師の責任
年末に考える歯科医療の本質とストリークレーザーの位置づけ
12月に入ってかなり朝晩は冷え込んできましたね。
インフルエンザやコロナも流行の兆しが見られます。
睡眠時間を十分に取って、身体をいたわりながら年末を乗り切りたいものですね。
さて今年も色々な事がありました。
ストリークレーザーはお陰様でかなりの症例を実行する事ができました。
その中で気が付いたことが幾つかあります。
はっきり言ってしまうと、『レーザーだけではどうしようもない』という事です。
ストリークレーザーは万能ではない|虫歯治療における限界
歯科治療は多岐に渡ります。
むし歯治療と言ってもむし歯自体が浅いものもあれば、神経の近くまで進行しているケースもあります。
難易度が全く違うのです。
ストリークレーザーで虫歯自体を取る事は出来ません。
出来る事は、むし歯除去後の感染防止と歯質強化です。
だから、他のコーパライトやドックスベストセメントの併用が必要になるのです。
つまり虫歯の基本治療である、虫歯で破壊された感染歯質の除去が出来ていなかったり、歯の削り方の基本である歯冠形成が出来ていないと、
レーザー治療を仮に正しく行ったとしても全く無駄な事なのです。
基本治療なくしてレーザーなし|歯科医師に求められる技術力
ストリークレーザーによる治療は手品ではありません。
従来の治療法に何を足せるのかを考えて使わないと、全く治療効果が得られないという事も起こります。
それは虫歯治療であろうが、歯周病治療であろうが、歯の根っこの治療である根管治療であっても同じです。
歯科医の中には色々な治療のレベルの人がいます。
少なくともストリークレーザーに手を出そうという人間は、歯科医としての最低限の基本治療が出来ていないとだめだと思います。
ストリークレーザーは、卒業したての人や甘い治療しかしてこなかった人間に扱えるような代物ではありません。
次世代の歯科医療へ|基本治療を極めた先にある選択
娘が卒業して5年になりますが、真面目に仕事に取り組んでいるせいか基本治療に関して、かなりのレベルにまで到達してきています。
ただストリークレーザーに関しては、取り組むのはまだ先で良いと私は考えています。
彼女がもっと基本治療を極めた時、基本治療だけでは治せない壁にぶつかる時も来るでしょう。
その時でもレーザーを始めるのは遅くはないと思います。
川崎市
野上歯科医院院長
野上奨衛