患者を生きる
朝日新聞の生活欄に「患者を生きる」という
コラムが毎日掲載されています。
現在はぶどう膜炎という難病で苦しんでいる方の生活を淡々と描いています。
ひとごとだと思えば何も感じないでしょうが、
もしこれが自分に起こった事だとすれば、一体どうやって生きていけばよいのか
全く想像もつきません。
ある日突然病魔が自分を襲い、それが完全に治る事のないものだとしたら。
目が見えなくなるという恐怖は如何ばかりのものでしょう。
そして奥さんもある日突然出て行ったまま帰って来なくなります。
絶望的な現実の中で、僅かな望みであっても、生きていく事にかけた
執念は並大抵な事ではありません。
ふと自分の事に置き換えてみると、如何に今の自分が幸せなのかが理解できます。
幾つもの偶然の上に自分の幸福が成り立っている事を。
とはいえ残念ながらこうした気持ちはすぐに忘れてしまうのです。
昔読んだある本に人間が愚かなのは殆どの人が自分の命に限りがある
という事実を忘れて生きている事であると書いてありました。
限りのある命を無駄に使ってはいけません。
私なりに最大の努力をし、スタッフや患者様に出来る限りの事を
する。
それで良いのではないかと思います。
1つ1つのプロセスを大切にして行きたいと思います。