長谷川選手のV10
昨日行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチでチャンピオンの
長谷川穂積選手がニカラグアの挑戦者アルバロ ペレス選手を4RTKOで
下し、見事10度目の防衛に成功しました。
ボクシングファンでない人にはそれがどれだけ偉大な記録なのか
解り難いとは思いますが、大変な快挙です。
かつてボクシングは1つの団体しかなくて階級もフライ級からへビー級
まで8階級しかありませんでした。
今はジュニアクラスを含めると17階級に増えています。
世界タイトルの稀少価値は昔ほどなくなリ、認める団体もWBA
WBC IBF WBOの4団体に増えました。
そういう背景を差し引いても、長谷川選手の功績は偉大であると
思います。
かつて世界バンタム級の王者と言えばブラジルのエデル ジョフレ
選手や日本のファイティング原田選手がしのぎを削り、
怪物と呼ばれたメキシコのルーベン オリバレス選手や
KOキングと呼ばれたカルロス サラテ選手が君臨した
レベルの高いクラスです。
長谷川選手が時代を超えて彼らと闘っていたらと思うと
胸がわくわくします。
さて肝心の試合展開はどうであったかというと
4Rという短い試合でしたが息の抜けない素晴らしい試合でした。
ペレス選手の放つ左のロングフックは日本人選手のパンチとは
違ってタイミングをずらして飛んできます。
3Rまではそのパンチを喰ってヒヤリとする場面も見られました。
また長谷川選手の左のストレートはロングレンジからは
殆どがかわされて当たりませんでした。
ただ徐々にズレを修正してボディーブローが当たりだしてからは
少しずつ長谷川選手の得意とするショートフックが当たる距離に
なっていきました。
そしてあのとどめの左フックが炸裂したのでした。
決してラッキーパンチではなくKOするパンチを見つけ出すのに4Rかかった
というのが本音ではないかと思います。
最後のパンチは恐らく挑戦者には見えなかったと思います。
お見事でした.
また昨日からちくま新書から発売されている
加藤周一20世紀の自画像という本を読んでいます。
私自身の学問的な基礎知識が足りないせいか読むのに悪戦苦闘
しています。
何故あえて難しいこの本を読もうと思ったかというと
単に歯科医としての仕事だけをしていたのでは満足しきれなく
なってきたという事なのです。
勿論、歯科医学は奥が深くて私などが全てを極められるほど
甘いものではありません。
ただ治療がうまくいって経済的にも恵まれることだけが目的であれば
こんなに単純な事はありません。
それしか見なければ良いのですから。
ただ数字だけを追いかけたり表面的な成功だけを追い求めると
1人の人間として幸福にはなれません。
うまくは言えないのですが、片方で自分自身を仕事から切り離して
見つめる部分がないと長続きしないのです。
残念ながらその部分については経営塾では教えてはくれません。
1人1人の人生観に直結している部分だからです。
私はかつて勉強不足であった部分をこれから少しずつ取り戻したい
と思います。
知らない事を知ったかぶりしない。
必ず自分で調べて考えてから物を言うという基本的な事から取り組み
たいと思います。
加藤周一氏の本を読んだらおそらくサルトルやフロイトまで読む
事になるのでしょう。