野上歯科医院での自費の義歯について
前回は私のつたない趣味についてお話ししましたが、今回は義歯についてお話したいと思います。
義歯というと若い人から見ればお年寄りのごく一部の限られた人の物であり自分にはあまり関係ないと思う方が多いと思います。
しかしそれは本当にそうでしょうか?
当院でも予防に力を入れてきたせいで、昔に比べれば義歯の患者さんが減ってはきています。
ただ治すのが難しい難症例が増えているような気がします。
かつての歯科治療は、痛くなれば歯医者に行き、神経を取り、歯が抜ければそこに入れ歯を入れる、という単純な歯科治療が繰り替えし行われてきました。
その結果、咬合崩壊が起こり難症例が増えていると思うのは私だけでしょうか。
咬合崩壊が起こるまでには、歯ぎしり等複雑な要因が絡んではいますが、歯科医療はいかにそれを食い止めるかに掛かっているといっても言い過ぎではないでしょう。
その手段の一つが義歯なのです。
義歯にも保険内で作れるものとそうでないものがありますが、今回お話するのは自由診療で扱っている義歯の事です。
当院の自費の義歯を20年以上お任せしている技工士さんは埼玉県の金井さんです。
彼とは2000年に三鷹で行われていた阿部晴彦先生の総義歯セミナーで初めて出会い、意気投合しました。
それまで苦手であった総義歯治療を大好きにさせてくれた人が、彼なのです。
総義歯だけではありません。
バイタリウムを使った部分義歯も素晴らしく、20年近く全く壊れない症例が殆どです。
保険の義歯とどこが違うのか?と聞かれても、答えようがないくらいに、全く違います。
硬さや薄さは勿論のこと、外すときや入れる時の感触が別物なのです。
義歯は、使っているうちに保険の物だと、バーという金属の部分まで変形してしまう事がよくありますが、金井さんの作ったもので、変形をした事はありません。
それだけ頑丈だということです。
口の中に入れるものが、ちょっとでも部厚かったり、変な味がしたりすると、とても気になるものです。
彼の作る義歯はとても繊細で、残っている歯に掛かる負担も少なく、取り外しもとてもスムーズにできます。
まさに職人芸と言えるもので、彼にしか出来ません。
私は彼のような最高の技工士と仕事が出来ることに、毎日感謝しています。
人生は100年時代になろうとしています。
例えご自分の歯を失ったとしても、いかに快適にご自分の人生を過ごされるのか、考えられては如何でしょうか。