BPSについて
今日はちょっと専門的な話をします。
皆さんは総義歯つまり全部の歯がない人の為の義歯をどういう風にお考えでしょうか。
歯が一本もないのだから吸い付かないのは仕方がないと考えている方も多いと思います。
勿論今は昔と違い余程の事がない限り歯を削ったりはしない時代です。
ご自分の歯にかなうものはないというのが正しいのですが、
実際は過去の治療の果てに全ての歯を失って困っている方も沢山いらっしゃいます。
吸い付かないから仕方なくポリデントを張ってお茶を濁している人も沢山いると思われます。
ポリデントも毎日使うとかなりの金額になると思いますし、
別に小林製薬の事を悪く言うつもりはないのですが、逆を言うと日本の歯科医の総義歯の
レベルを物語っているとは思います。
勿論保険の範囲内でも作る事は可能です。
しかしながら通常のレジンつまり義歯の材料は数年経つとカンジタ等が入りこんで義歯自体が劣化してしまいます。
よく言われる義歯自体の悪臭の原因にもなります。
実は総義歯ほど歯科医+技工士の腕の差が出る分野はないと思います。
あの単純と思われる形の中に何を勉強してきたかの全てが表現されているのです。
前置きが長くなりましたが今回私は阿部次郎先生のBPSについての本を読んでいます。
私の総義歯の作り方とは若干違うのですが、参考になる点が沢山あります。
総義歯は上顎は比較的簡単なのですが、下顎は吸着させるのが難しいのです。
本を読んでいくと舌側に柔らかいスポンジ状の組織がある人は吸着し易い事も解りました。
過去の経験から言っても納得のいくものでした。
また義歯の一番奥に当たるRMPの部分が重要である事もわかりました。
参考にして今まで以上に吸着する義歯を作りたいと思います。
実は昔は勉強不足で総義歯は得意の分野ではありませんでした。
今は作る過程が大好きです。
今は総義歯を作って吸着させ患者様に喜んで頂けるのがうれしくて仕方ありません。
総義歯でお困りの方は決してあきらめないでお訪ね頂きたいと思います。