母子感染について

前回歯妊娠時の歯科治療について
お話させて頂きましたが
今回は私が母子教室で話してきた内容についてわかりやすく
お話していきたいと思います
皆さんは虫歯の原因菌であるミュータンス菌が親から子へと移ることは
知っていますよね
主にいつも一緒にいる母親から感染する事が多く
母親から移る可能性は70%だと言われて
います
ミュータンス菌は固いものにくっつく性質があり歯が生えてこないと
定着しません
生後1.5歳から2.5歳までの丁度乳歯が生えそろう時期に合わせて
親から移ると定着してしまうのです
この時期の事を感染の窓と言います
フィンランドでは子供だけの予防をしてもなかなか虫歯の数は減りませんでした
そこで親も予防する事になっていったのです
今では世界で1~2位を争うくらい虫歯の少ない国になりましたが
日本との違いは生涯に残っている歯の数です
スウェーデンやフィンランドは80歳で20本以上残っているのに対して
日本は悲しい事に8本前後しか残っていないのが現実なのです
なぜ物があふれる先進国である日本の現状がこんなことになっているかというと
小学校までは比較的に虫歯が少なくなっているにも拘わらず
中学校以降大人になるまで歯を予防する習慣がないことです
歯の定期審査に通う率がフィンランドでは80%なのに対して日本では
20%以下です
これではごく限られた人を除いて殆どの人が入歯になってしまいます
確かに予防がフィンランド並みに行き届いてしまうと歯科医師数は
今の5分の1程度で済んでしまうため中々難しい側面もあるのですが
世の中は常に変化していきます
例え5分の1になったとしても仕方がないと思います
私はフィンランドに直接行って現場の状況をこの目で見てこなければ
ここまで考える事はなかったかもしれません
一度見たものはなかったことにはできません
例え治療になったとしても予防ができていないととどんなことになるのか
想像がつくでしょう
歯科医師は考え方ひとつで社会貢献のできる素晴らしい仕事です
是非母子感染を防ぐ意味でも家族ぐるみで予防をしましょう

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