平山郁夫氏の死去

偉大な日本画家の1人である平山郁夫氏が2日に亡くなりました。

氏が東京芸大に入学した時のエピソードが今日の朝日新聞の

天声人語に書いてあります。

その時校長は大変ショッキングな事を言います。

「君らの中で宝石は一粒に過ぎない。あとの人間はその一粒を捜す

ために寄せ集めたに過ぎない。」と

平山氏は自分でも才能がない「石」に過ぎないのではないか

と悩みます。

しかし、新任教師の一言が彼を救います。

「君はこれ以上絵は下手にならないから、続けなさい。」

もしこの一言がなければ、画家平山郁夫は存在しなかったかもしれません。

氏は広島で被爆した経験を絵に描き、戦争の悲惨さや残酷さ

を訴えていきます。

そして最後にたどり着いたのが平和への強い願いであり仏教への

帰依でした。

晩年に描いたのはシルクロードを辿るいわば仏教巡礼の旅でした。

心からご冥福をお祈りします。

また、昨日はBS1で矢澤栄吉氏のSONGSという番組をやっていて

ついつい最後まで観てしまいました。

歌と若者とのトークが交互に行われる形式の番組でした。

その中で高校を卒業して7年間証券会社に務めているという女性から

矢澤氏に質問があり、「自分なりに一生懸命に頑張っては来たものの、

最近このままでいいのか解らなくなってきた。」との事でした。

矢澤氏は一呼吸置いてから質問に答えました。

「私も30年以上、ロックに没頭し、それこそ家族の事も忘れて、突走ってきた。

正直言って余り気合が入っていなかった時期もあった。ファンには申し訳ない

とも思うが、自分ではどうする事もできなかった。それで

去年、思い切って音楽活動を休止する事にしたんだ。

自分自身を見つめ直すために。

その結果、自分には音楽しかない事、家族の支えが如何に大切であるか

が良く解った。」

女性が感激の涙を流していたのは言うまでもありません。

世の中には本物が必ずいます。

平山氏にアドバイスした先生しかり、矢澤栄吉氏しかりです。

とても幸せな一日でした。

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