三四郎

今まで歯科医から見た予防の大切さと
食いしばりなどの生活習慣からくる歯牙の
崩壊の予防についてお話してきました
治療技術だけに頼ったことをしていると一体どんなことになるのか?
30年近くに渡って患者さんのお口の中の状態を拝見させて頂いた結果
悪くなる前にいかに芽を摘むのが大切かを確信しています
特に歯周病は進行してしまうとどんな治療をしても元には戻りません
虫歯は過剰に削り過ぎないことが大切ですが
歯周病は早く手を打たないと手遅れになってしまいます
日本は表現の自由が認められていることは良い事なのですが
某メーカーがコマーシャルで言っているような生薬なんかを
使用しても歯周病は治りません
感染症は元を断たないとダメです
これだけ情報があふれているのに理屈に合わない事が多い
どうか正しい情報を入手して下さい
論理的というと
最近朝日新聞に連載されている夏目漱石の三四郎にはまっています
実は40年も前に最初のページを読んだことはあるのですが
当時の私では理解することは出来ませんでした
何気ない日常の生活の中で三四郎とそれを取り巻く人々の価値観や考え方が
さりげなく描かれています
106年も前に書かれたにもかかわらず
少しも古臭さを感じさせません
特に私が惹かれるところは
本当の民主主義が何であるのかを語る一説です
それも決して道徳的ではなく
道端の乞食を見ての感想一つにしても
三四郎は乞食の存在自体に嫌悪感を抱きます
しかし同行した広田先生や美禰子は別の考えを告げます
彼らは乞食の立場に立った意見を言うのでした
それを聞いて三四郎は民主主義の何であるかを悟り
自分の無知を恥じます
そして東京という大都会に生きる自分の器の大きさに
気ずくのでした
全編を流れるヒューマニズムと時代背景
私はすっかり虜になってしまいました
それにしても美禰子はどんな女性だったのか
想像力を働かせています
エロチシズムまでは描かれていませんが
きっとセクシーさとインテリジェンスを兼ね備えた
素敵な人に違いありません
連載が楽しみです

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