旅情

旅情という63年前に封切られたアメリカ映画を観た
実は45年くらい前に一度観たことがあったが
当時はまだ子供であったせいか
大人のラブロマンスなど思いも及ばず
記憶に残るのは美しいベニスの景色と主題歌のサマータイムインベニス
の切ないメロディーだけ
今回改めて観て
デビッド リーン監督が描くベニスの街の躍動感
気位が高くうぶなアメリカ人女性が
恋する乙女へと変貌していく姿を
見事に演じたキャサリンヘップバーンの演技力
又相手役である
ロッサノブラッツィーのいかにもイタリア男らしい
スマートで情熱的な女性へのエスコートの仕方等
見どころ一杯の作品であった
私がこの映画から感じた事は
人生とは決して後悔しない事
そして人生の局面で一生懸命に生きる事の2点
客観的にみればこの映画は独身女性の旅行中
のアバンチュールを描いただけと言えるのかもしれない
ただそれなら何故あのラストシーンに感動
するのだろうか
たとえ不倫であったとしても、間違いなくあの二人には
真実の愛があったからだと思う
また途中の演出も見事
くちなしの白い花が2人の恋愛の象徴として
描かれ
運河に落ちた花を懸命に拾おうとするが
どうしても拾えない切なさ
観る者にラストシーンを想像させてしまう
又、最初は恋愛に対して
うぶで今一歩を踏み出せないでいた女性が
愛されることによって徐々に自信に満ち溢れ
美しく変貌していく様を演じ切った
キャサリンヘップバーンは素晴らしい
さらにロッサノ ブラッツィーのいかにももてそうなイタリア
男特有のダンディズム
現代でも通用する素敵なスーツの着こなし等
一つ一つの演出が繊細で、ベニスのロケの美しさと相まって
見事な出来映えである
細かい事を言えば、
お互いに最も愛し合っている時に
何故突然別れのラストシーン
になるのか男の立場から見れば、
不満の点もあるが、
大人の女性としての
分別をわきまえた
結論を出した姿が
実際のヘップバーンの生き方
とも相通じてあまりにも
切なくて涙が出た
男と女 そしてそれぞれの
置かれている立場
又、人は誰かを愛し
又愛されることが
何よりもその人間を
成長させる事を
わずか1時間半余りで
描き切ったデビッド リーン監督は
名匠である

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